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2004年12月21日

排出権ってなんじゃらほい? >>地域・環境・社会  | >>経営等探究 

ガイアの夜明けで排出権に関して取り上げられてた。いかん、乗り遅れてるらしい(^^;;
ということで、排出権、排出権取引に関してまとめてみる。

以下、wisdom:5分でわかる経営キーワードより引用

地球温暖化に強い危機感を抱く世界の国々は、大気中の温室効果ガス濃度の安定化を達成し、温暖化を防止することを目的に、国際的な枠組み「気候変動枠組条約」を締結しました。
この条約を締約した国は180を超え、1994年には条約が発効しました。
条約締約国は、それぞれ独自に温暖化対策計画を策定し、実行に移さなければなりません。
 また「気候変動枠組条約」の締約国は、条約に掲げた目的を達成するため、毎年、会議(COP:Conference of Parties)を開催し、法的拘束力を持つ文書を採択しています。

毎年開催されてきた会議のなかでも有名なのが、1997年に京都で開かれた第3回のCOP、いわゆる京都会議です。この会議では、先進国の温室効果ガスの削減目標を具体的に定めた「京都議定書」が採択されました。
この議定書は、長期的視点に立った地球温暖化への取り組みに関して道筋をつけたものとして高く評価されていますが、現実には、アメリカの離脱やロシアが批准先送りの方針を明確にするなど、「京都議定書」の発効時期はいまだに不透明です。
しかし「京都議定書」には、目的を達成するための補足的で柔軟な仕組みが設定されていることが大きな救いになっています。この仕組みは「京都メカニズム」といわれるもので、先に述べた「排出権取引(ET:Emissions Trading)」以外に、次の2つも排出権取引の仕組みとして導入されています。

・ クリーン開発メカニズム(CDM:Clean Development Mechanism)
 先進国の企業などが発展途上国に技術投資を行い、プロジェクトベースで削減された分を先進国と発展途上国とで分け合う。
・ 共同実施(JI:Joint Implementation)
  排出の枠を持つ先進国間で、温室効果ガス排出の削減事業を行い、事業実施国で得られた削減効果の一部を共同実施国が取得する。

これらの3つの仕組みは、いずれも経済メカニズムを活用して温室効果ガスの排出を抑制しようとするもので、「京都議定書」の発効とは無関係に、先進的な取り組みを進める国や企業で、盛んに行われるようになってきました。

というわけで、COP3の「京都議定書」で最初に排出権の記述があることがわかりました。

その京都議定書の主要部分を、みずほ情報総研:寄稿京都議定書と排出権取引より、一部転載します。

先進国の温室効果ガス排出の抑制義務が国ごとに定められた。その要点は以下のとおりである。
(1) 先進国には12年時点での温室効果ガスの排出上限量が数値目標として定められる。これは90年当時の排出を基準として定められる(EU:7%削減、米国:8%削減、日本:6%削減、ロシア:±0%に抑える、など)。
(2) 途上国は今後の経済成長に伴う排出抑制に配慮はするが、具体的な排出制約は負わない。
(3) 温室効果ガス(Green House Gas, GHG)とは、二酸化炭素以外にも多数あるがメタン、亜酸化窒素など6種類のガスの合計値での排出量制限である。
(4) 各国が自国の排出削減に取組むことが基本だが、一定のルール下の国際間協力スキームも認める(京都メカニズム)。

だがしかし、企業がなぜこぞって排出権を..という気がしてくる。

日本ではどうなのよ?ってことで..
Goo環境:吉田麻友美「排出権取引とは何か?」から一部転載

日本では排出権取引制度が導入されることになるでしょうか。
現時点では、2005年までは自主的な取り組みをすることになっており、具体的な取引制度はそれ以降に実施されることになります。国内の排出量が、90年代から一貫して増加傾向にあることをふまえれば、環境税や炭素税、排出権取引などの経済的手法に頼らざるを得ない状況にあることはまちがいありません。
政府が発表した「温暖化推進対策大綱」によれば、このまま特別な対策を講じない場合(=BaUケース)、2010年には対90年比で総排出量は123.4パーセントに達するとされております。このBaUケースに対して、2010年時点で、対90年比マイナス0.5パーセントを国内での削減対策で達成することが目標とされていますが、この目標を達成するためには、90年の総排出量の23.9パーセント分を削減しなければなりません(図4)。また、京都議定書に定められたのは、90年比で6パーセントの削減ですから、残り5.5%がまだ残っています。この残りの5.5%については、3.9パーセントを森林などによる吸収、残りの1.6パーセントを京都メカニズムを活用して達成する、というのが政府のシナリオです。

ふむ...。そうすると、環境に対する税金がどうなるかっていうのも関わってくるかもしれへんな、と。
毎日新聞:どうなる環境税導入三井情報開発株式会社:環境税とはを見る限り、いまのところいつ導入されるのかは明確にはなっていない様子。

ただ、導入されて、企業に「あなたのところはこれだけ消費するのだからいくら支払ってね」となるのなら、それを「別のものに転換する:メタンを燃やしてCo2にする等」ことで環境にかかるコストをより安いものに転換する、といったことが出来ることになる。
で、「もしもその排出量(権利)」に余剰分が出来れば、それを売る(取引)ことができる..と、それが排出権取引ということになるわけだね。
また、排出権を他の国でその分を作り出す(発電する、植林する)ことも可能だということらしい。

ふう。なんとなくスッキリした。

しかし、私的に考えるには..
全てをCostに置き換えれば目に見えるから分かりやすいかもしれない。
だからといって、汚染物のCostが高いものから低いものへの転換に始終することにより(上述の通り、メタンよりCo2の方がコストが低い)考える以上にCo2が大量に増えるといったことが起こりえない訳ではないと考えられる。
それを出来る限りゼロの状態にしなければならないはずだけれども、Costで考えていった場合に、より安いCostへ転換するだけで、その汚染物質が増え.ということになってしまいはしないだろうか。

全てを市場経済に置き換えていいものだろうか、と、悩んでしまう。

■参考資料
三井情報開発株式会社:キーワード解説>環境税 みずほ情報総研:寄稿京都議定書と排出権取引 毎日新聞:どうなる環境税導入 Goo環境:吉田麻友美「排出権取引とは何か?」 wisdom:5分んでわかる経営キーワードより引用 地球産業文化研究所:排出権取引 地球産業文化研究所:温室効果ガス算定 外務省:外交政策>地球環境 外務省:外交政策>地球環境>地球温暖化問題 外務省:外交政策>地球環境>COP3(京都会議) Greenpeace:京都議定書は完成した

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投稿者 debizoh : 2004年12月21日 00:01



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